第2章 私もどこかで…
「運命的~」
「ちょ、琴乃まで!」
「なんのこと?」
運命だとかを言う男の人達は何人か居た
私も一応貴族の姫だったから、そんな風に言い寄られることも、何度か縁談話が上がることも少なくなかった
だけど肝心の私は運命なんて微塵も思わなくて、男の人に優しくされても触れられてもなんとも思わなかった
それなのに…
"斬魄刀が姉妹なんて、運命感じちゃいますね"
浦原隊長に言われた言葉はどうしてこんなにも胸を撫でて、脳内で何度も繰り返されるんだろう
「なぁに赤くなってるの?」
「な、なってない!」
「ははーん。さては浦原隊長と何かあった?」
「ないない!」
「ていうか、紫苑のそんな顔初めて見た」
琴乃はぐっと下から紫苑の顔を覗き込んだ
「ど、どんな顔よ」
「教えてあげなーい」
「ちょ、琴乃!」
琴乃はいたずらっ子のようにニヤッと笑って、走り出した
紫苑が感じた胸のトキメキがなんなのか、本人が気づくのはもう少し先のこと…