第21章 保護者みたァやな
「おはよっス」
「紫苑大丈夫やったか?なんか水かけられたって…」
「あぁ、ちょっとくしゃみしてたんで、休ませました」
「ウチがその女シバいたろか?」
ひよ里サンなら本当にやりかねない…
「そしたら死人がでますよ」
「おはよーございます」
そこに眠そうな琴乃が欠伸をしながらやってきた
「琴乃サンは風邪、引いてない?」
「へーきですよ!ナントカは風邪ひかないっていうし」
「なんや琴乃、とんだとばっちりやんな」
「それより紫苑は?」
風邪引いてないかなーと思っていたら案の定だった
…─
「紫苑ーいい子にしてた?」
お昼休憩になり紫苑の部屋を訪れる
「喜助さん!お疲れ様♪」
「お昼持ってきたよン」
「ありがとうー!そろそろ作ろうと思ってたの」
喜助さんの持ってきてくれたお昼を机に並べると、別の来客があった
「紫苑ー具合どう?」
「あ、琴乃。お疲れ様」
「隊長もう来てたの?早っ。ねーねーわたしも一緒に食べていいー?」
「え」
チラチラと喜助のほうを伺いながら聞いてくる
「紫苑どうやー?」
琴乃に続いて入ってきたのは
「ひよ里さん!」
「風邪にはりんごがええで!一緒に食べよ思てな」
「え、ひよ里サンもここで食べるんスか?」
なんか文句あるんか?
ギロリと睨みをきかせるひよ里に、喜助は嫌な汗を流す
「紫苑ー見舞い来たでー」
「ゲッ、平子サン」
「ゲッてなんやゲッて…しかしまァ、同し隊長でも俺の部屋とえらい違うなァ」
「まさか平子サンもここで」
「紫苑、ホンマ喜助の部屋に居んねんな…」
ため息を吐きながらも適当なところに腰を下ろす平子を見て、喜助も同じように息を吐いた
その時1人の鼻を啜る音が聞こえた
「紫苑?どっか痛い?」
喜助が優しく紫苑に体を寄せると、フルフルと首を横に振る