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With me

第2章 私もどこかで…



「ハハッ、本当っスね」

「すみません、大丈夫ですか?!」


霊術院で習った回道で喜助の指先を治療する


「上手いっスね」

「本当ですか?嬉しいです!」


喜助の横で必死に回道を施す紫苑

彼女の肩とボクの腕が当たっているのに彼女はきっと気づいていないだろう…

ふわっと良い匂いが漂って来ることも…

それにボクが一瞬ドキッとしたことも…


「斬魄刀が姉妹なんて、運命感じちゃいますね」


その時紫苑の回道が乱れた


「なっ、何をっ」

「赤くしちゃって、かーわいーっスね」

「か、からかわないでください!」


紫苑は自分の心臓がトクンと鳴るのを感じた

喜助はクスクスと微笑している

気を取り直して回道を再開する


なんだろう、この感じは…

懐かしい

まるで、ずっと会いたかった人に会えたような

きっと、その肌にボクは触れたことがあると思う

もう一度触れたら、思い出せるかもしれない

気づいたら、手がのびていた


「はい、終わりました」

「え…あ、ありがとっス」


何を考えているんだ、ボクは


「あの、こないだのことなんですけど…」


喜助がなんの話し?とばかりに首を傾けると紫苑は下を向きながら小さな声で言った


「こないだ初めましてだって言ったんですけど、私も浦原隊長に何処かで会ったことがあるような気がして…そ、それだけなんですけど…」


喜助は驚いて目を開くと、すぐにその目を細めた


「何処かで会ってたらいいっスね」


目を細めてふわっとした表情が胸に刺さる


「は、はい…」


紫苑の声はきっと喜助には聞こえなかったんだろう


「さてと、そろそろ帰りますね。ちょっと長話しちゃったかな?教室まで送りますよ」

「いえ、たくさんお話できて楽しかったです」


喜助に送ってもらった紫苑は、琴乃に質問責めにされたことは言うまでもない

ひよ里さんは置いていかれたことに怒りながら帰っていったらしい


「で、浦原隊長となんの話してたの?」

「雪姫がね、浦原隊長の斬魄刀の紅姫と姉妹刀なんだって」

「姉妹刀?そんなのあるんだ?」

「私もびっくり。でも前に雪姫が姉に会いたいって言ってたから、多分紅姫のことなのかな」

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