第21章 保護者みたァやな
「紫苑、起きろ」
「ちょォ待ち、眠っとるやんけ」
「あぁでも報告しないといけないんで」
報告ったって…
と思ってると阿近は紫苑を揺すり始めた
「おい、紫苑、起きないと襲うぞ」
「はァ?!」
「マセてるんですよ、ガキんちょの癖に」
「んぅ…」
いやいや、可愛いすぎるで!アカンて!
細く目を開ける紫苑
「紫苑、症状は?」
「…眠い」
「あぁ」
「…クラクラする」
「うん」
「…頭痛い」
「あとは?」
「…気持ち悪い」
「……大丈夫か?」
今までと違う、症状の多さに驚いた阿近は、紫苑の頭を優しく撫でる
「ありがと、阿近…」
「報告しとく」
紫苑の頭をポンポンと叩いて去っていった
「アイツ紫苑のこと好きなんちゃう?」
「あれぇ平子隊長もさっき紫苑にキ…」
「ああぉあぁ!きょ、今日はエェ天気やなァ!」
分かりやすく焦る平子に琴乃はクスクスと笑いをこらえている
「………っ…」
平子の腕の中で紫苑は苦しそうに顔をしかめる
「紫苑、平気か?」
「ひら……こた……いちょ……?」
細い目を少し見開いて平子を見た紫苑は、眠気に勝てなかったのかゆっくり瞼がおりた
「また寝てしもたんか」
「ところで平子隊長、いつまで紫苑抱き締めてるんですか?」
「エェやんけ、こんなん滅多にないんやで?喜助おらんし」
「いますけど?」
「ぎゃぁぁぁあぁ!!」
恐る恐る後ろを振り返るとニッコリ笑った喜助がいた
逆に恐ろしい!!
「阿近サンから紫苑の副作用が強いって聞いて様子見にきたんスけど…」
「エ、エライ早いなァ…」
「何してんスか?人 の 彼 女 に 」
「いやこれはそのな、深ーい深い理由があんねん」
「とりあえず離れてもらえます?」
ヒョイっと紫苑を奪う
「さっき紫苑にキスしようとしてましたよ?」
「おい琴乃!!」
「キス?」
喜助の顔に段々と影が落ちていく
平子はもう汗が尋常じゃない