第21章 保護者みたァやな
「紫苑、一応持ってきたけど…今日は薬はおやすみしません?」
「へーきへーき!早く喜助さんの思いに応えたいし!」
あっ
と喜助さんが言うより早く、私は3つめの薬を口に放り込んだ
白くて黄色い星が書いてあった
ちょっと酸っぱいかな?
「ボクが言うのもアレなんスけど、あんまり無理しないでくださいね?」
「心配してくれてありがとう」
喜助さんはまた局に戻っていった
忙しいんだろうなぁ
自分に割いてくれる時間がなんだか申し訳なくなってくる
…─
「なんでこないなところで寝とるんや…」
そら冬にしてはエェ天気で、珍しくポカポカ気持ちエェけどなァ…
平子の視線の先には、縁側で柱にもたれるように寝息をたてている紫苑がいた
「おぃ、紫苑」
声かけたけど全然起きへん…
ちゅーか、なんや…綺麗な顔して寝とるなァ…って俺は何を考えてるんや!
スースー…
「紫苑、起きィや」
風邪引くで
肩揺すってみたけど全く動かへん…
無防備やなァ…
起こすのを諦めて紫苑の隣に座り込むと、紫苑の体勢が崩れて平子の肩に頭がのった
「ちょ…アカンて…」
柄にもなく心臓バクバクしとる…
ふわっとエェ匂いがする
可愛エェ…
誰も来ェへんし、ちょっとくらい…
ちょっとくらいエェやろ…喜助…
平子は紫苑の顔を覗き込み、頭を支える
無防備で無抵抗な紫苑は、平子の吐息がかかるくらい近づいても気づかないまま
アカン…ドキドキ止まらへん…
紫苑の唇に…触れる…
「あー!!平子隊長ー!!」
ドキーーーーン!!!
咄嗟に紫苑から離れた平子
そのせいで姿勢を崩した紫苑は平子に倒れ込むようにして、抱き止められた
「い、いきなし声かけんなや!琴乃!」
「紫苑多分薬の副作用で眠ってるんで、変なことしないでくださいね!」
「へ、変なことなんて…っ」
そこへバインダーをもった阿近が近づく
「あ、平子隊長」
「なんやお前」
「阿近です。技局の局員ですよ」
こないなガキがなぁ…と紫苑を抱き締めながら、品定めするように上から下まで見る