第21章 保護者みたァやな
翌日─
「紫苑、体調は大丈夫ですか?」
「うん、平気。今日はこれにしようかな」
オレンジ色の花が描かれた薬
今日の薬はちょっと苦味がした
「紫苑ーちょっと頼まれてくれへんか?」
「…………っ」
「紫苑?聞こえてるか?」
「え!あ、ひよ里さん!すみません……」
副隊長の声かけにすぐに、気づかないなんてなんて失礼なことをしてしまったんだろう
「具合でも悪いんか?そういや薬飲んでたんやっけ?」
「ちょっと頭痛くて…」
「副作用か…辛いなァ」
「平気ですよ!喜助さんが私のために頑張ってくれてるんですから!」
そこに今日も様子を伺いに阿近がくる
「紫苑、どうだ?」
「ん、ちょっと頭痛いけど平気」
「はいよ」
どうせなら喜助さんに来てほしいなぁ…なんて言ったらわがままだよなぁ
「紫苑、休んどってもええねんで」
「仕事はおさえてるし大丈夫ですよ。それより頼み事って?」
「ええねん、他の奴にやらせるから。無理せんでな」
頭痛も昼頃がピークでそれをすぎれば問題ないと思ってた
…─
「紫苑お疲れっス。その後大丈夫でした?」
「喜助さん!うん、大丈夫。今お茶でも淹れますね」
給湯室でお茶を入れてると、ピリッとした手の感覚に襲われて思わず湯飲みを落としてしまった
ガシャンッ─
熱っ…
一度机に落ちたときに、お茶が飛び出て紫苑の手にかかる
「大丈夫っスか?!紫苑!」
「喜助さん!ごめんなさい…湯飲み」
「そんなのどうだっていいっス。早く冷やさないと」
水を出して流水にあててくれる
氷嚢を作ってくれ、お茶と湯飲みの後処理までさせてしまった
「喜助さん、ありがとう…」
「いーえ。手、どうかした?」
「あ、ちょっと痺れて…」
「…それも副作用っスかね。ごめんね、なかなかうまくいかなくて」
フルフルと首を横に振る
私1人なんかのために…
そんなこといったら喜助さんに失礼だよね
まだ始まったばかりだもん…
手の痺れは寝るまで何度かあったけど、次の日には元に戻っていた