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With me

第19章 何か欲しいものありますか?



「私なんで喜助さんの部屋にいるの?」

「んー紫苑が飲まされてるって聞いたから、迎えに行ったんスよ」

「迎えに来てくれたんですね」

「あ、敬語になった」

「ご、ごめんなさい」

「いいんスよ、ちょっとずつで」


喜助さんは私と話ながら身支度を整える

私も自分の部屋に戻って準備をしなきゃ


「私も支度してきますね、迎えに来てくれて、ありがとう」

「紫苑」


呼ばれて抱き締められて、頭を押さえられて、熱い熱いキスをされる


「んっ……ふぁ…」


頭から手が両頬に移動して私を逃がさない

ぬるっとした舌が遠慮なく口内に侵入する


「んぅ……や……」


酸素を吸わせるために一度口を離してあげる


「ぁ……ンぁ……」


それは一瞬でまた紫苑の口内を犯す


最後にちゅと音を鳴らして、ゆっくり離れると糸が2人を繋ぐ


「ごめん、いきなり…」


頬を赤くして肩を上下させる紫苑に、これ以上は続けられないと自分にムチを打った


私、やっぱり喜助さんに…

我慢させてる…のかな


その時始業の予鈴が鳴る


それを合図に喜助は振り返る


「大変、遅刻しちゃいますよ!」


紫苑の背中を押しながら外へと向かわせた


艶っとした唇、その唇でボクの名前を呼ぶ、豊かに揺れる胸、うるっとした瞳…その全てがボクを興奮させる

メチャクチャにしたい

ボクのことしか考えられないように

ボクだけを見て、ボクの名前だけを呼んで

何度理性が飛びそうになったことか…


「ボクもまだまだっスね…」



…─



仕事が始まるとボクは研究室に籠った

理由?

それは、愛しい彼女を見るともう押し倒したくなるからだ

だけどそうやって紫苑から離れているのもそろそろ限界で、やっぱり会いたくなってくる


もう終業の鐘が鳴りだしていた

ボクは足早に執務室を目指す


「紫苑います?」


執務室を除くと既に隊員はまばらで彼女の姿を探す

そこに給湯室から出てくる影が1人


「あ、喜助さん、おつかれさま」

「おつかれ、紫苑」


ぎゅう


「き、喜助さん!」

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