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With me

第19章 何か欲しいものありますか?



少なくなったとはいえまだ残っている人もいるのに…


「どうしたの?疲れた?」

「ん、ちょっと充電…」


思わずかわいい…なんて思ってしまった

周りの視線がもうどうでもよくなっちゃう

少しでも私が喜助さんの癒しになるなら…って思うと嬉しくないわけがない


「またやってるよ……」

「相変わらずラブラブねー」

「もう見慣れたけどな」


隊員たちの呟きは2人には聞こえてなかった


「もう仕事終わった?」

「あ、えっと、もう少し…」


一緒に仕事をしていた琴乃を見ると、彼女もそれに気づいたのか


「いーよ、あとやっておくから」


琴乃はシッシッと手を払う


「でも…」

「今度甘味奢ってよね」


ニコッと笑ってくれた彼女の優しさに、今回は甘えてしまおう


「ありがとう!琴乃!」


紫苑は急いで帰り支度を始めた


「すみません、琴乃サン。気使ってもらっちゃって」

「そりゃ隊長にあんな圧かけられたら、ねぇ?」


喜助の目が訴えていたのを琴乃は充分に受け取っていた


「なんのことでしょ?」

「隊長にもなんか奢ってもらいましょうかねー」


どこまで本気なのか

彼女は本当に付き合いやすい性格をしている


「なんでも言ってくださいよ。またお世話になるかもしれな…」


喜助が悪い顔で目を細めた時…


「喜助さんお待たせ!何話してたの?」

「早かったね」


くるっと表情を変えた喜助を、琴乃は冷ややかな目で見る


「隊長も何か奢ってくれるって話」

「そうなんだ。じゃあ今度一緒にごはんでも行こっか」

「高いお店調べとこ!お疲れ様!」


琴乃はヒラヒラと手を振ると、二人を見送り、天井を見上げた


「私も恋人欲しいなぁ…」


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