第2章 私もどこかで…
「平子隊長人気ですね」
「猿柿副隊長!お初にお目にかかります!東雲琴乃といいます!紫苑の親友です!お会いできて光栄です!」
ひよ里さんは嬉しそうに顔を赤らめる
どうやら尊敬されたり敬意を払われることに慣れていないようだ
「ひよ里でえぇ…」
「はい!じゃあ、ひよ里さん!よろしくお願いいたします!」
「ええ子や…喜助!この2人十二番隊にもらうで!」
さっきからそう言ってるじゃないスかぁ、と言いたげな喜助はひよ里の珍しい一面を見れて嬉しそうだ
「え!十二番隊にいれてくれるんですか?!紫苑も?!ありがとうございます!ひよ里さん大好き!」
「ちょ、くっつきすぎや!」
「ひよ里サンまんざらでもなさそうっスね」
その様子を小さく笑いながら紫苑は見ていた
「紫苑サン、ちょっと」
紫苑が首をかしげていると
「少し2人で話せません?」
え?と驚きつつも、少しばかり顔を赤らめた
「あ、はい。しばらく時間があくので大丈夫です」
こっちこっちと喜助は外に出る扉を指差す
「あ、でも2人は…」
「楽しそうにやってるからほっときましょ」
そう言われて2人を見ながらも浦原隊長の言うとおり外にでると、瞬歩でいきなり移動をはじめた
「ちょ!浦原隊長?!」
ついたのはもう使われていない第六演習場だった
「ハァ…隊長さんの瞬歩は、やっぱり早いですね」
紫苑は連れてきてもらっただけなのに、それでも多少息があがる
「いきなりスミマセン。あそこだと人目があるでしょ」
ここでよくサボってたんスよ、と喜助は笑いながら懐かしそうにあたりを見渡す
「そういえばさっきの予約って…」
「あ、前も言ったと思うんスけど…」
「え、卒業したら十二番隊にってやつですか?あれ本気だったんですか?」
「もちろんっスよ~」