第18章 ボクの前では我慢しないで
「あ、えっと…私さっき喜助さんのところ行こうと思ったんですけど、直前で吐き気がして…それでトイレに急いでたんです」
「え?吐き気?あ、二日酔いの?」
「知ってたんですか?もぅ恥ずかしい…」
なんだ、二日酔いで気持ち悪かったんスね…
紛らわしいっスよ…
「で、夜一さんがどうしたんですか?」
ギクゥッ
っと喜助の心臓が悲鳴をあげる
もちろんやましいことはしていないものの、やっぱり紫苑が気を悪くするかもと思うと、気が重かった
「正直に言いますね、昨日…」
…─
「隊長~!浦原隊長も飲みましょうよ~!」
「あ、いやボクはいいっス」
「つれないなぁ!」
討伐隊のメンバーはせっかくだからと酒盛りをしていた
「スミマセン、ちょっと出てきます」
「お気を付けて~」
その場を抜け、大分寒くなった夜空の下へと出る
歩き出すと、もう開いてるお店が少なくなってきた
紫苑のお土産買えるかな…
このまま自分も酒盛りに参加しては紫苑にお土産が買えなくなる、と1人でてきたのだ
「きーーすけっ!!!」
「ぐおっ…よ、夜一サンいきなりなんスか?」
「ノリが悪いのぉ、1人でどこに行く気じゃ」
「紫苑にお土産買うんですよ、というか離れてください」
さすがの夜一も飲みすぎたのか、それとも焼酎でも飲んだのか、足元がふらついている
「んーじゃあのぉー」
はぁ、離れてくれた
と思い、帰るであろう方向を見ると
「何してんスか…ったく」
あろうことか道路のど真ん中で猫のように丸くなって眠り始めた
こんなところに置いていくわけにもいかない…
かといって、みんなのところへ連れていってまた出てくる時間もない…
仕方なく喜助はつれていくことにした
「ほら夜一サン、たてる?」
「ん~立てるぞぉ」
よろめいた夜一を喜助が抱き止める
恐らく他のメンバーにはこの辺を見られたんだろう…
その後なんとか紫苑のお土産を買えた喜助はメンバーの元へと戻る
最終的には寝てしまった夜一をおぶって戻ったところも、彼らには仲良しこよししてるように見えたのだろう…