第18章 ボクの前では我慢しないで
今度はねっとりと舐め上げると、耳全体を口の中に含む
その口内でたっぷりと喜助の唾液でまみれさせる
「もっ…やめ……ぁんっ」
「紫苑…びしょびしょ」
「き、喜助さんのせいですからっ」
「そっスねぇ…」
低い声で言うと紫苑の首筋に舌を這わせる
「やっ……きす……けさっ」
「静かにしないと聞こえちゃうよ?」
紫苑の口を塞ぐようにキスをする
そのままゆっくりと壁に紫苑を押しつける
優しく両手の指を絡めて何度も何度もキスを落とす
「んッ……は…ぁ……んぅ」
喜助は紫苑の死覇装の合わせに手をかけた
「ぁっ……喜助さんッ」
ピピピピピピピピピピピ─
その時喜助の伝令神機が鳴る
ピタリと喜助の動きが止まり、舌打ちしながら画面を見る
「ごめんね紫苑、夜一サンに呼び出されちゃいました」
「う、うん…いってらっしゃい」
「続きはまた今度…ね」
喜助は紫苑の額に小さなキスを落とした
「あ、そうそう。彼から紫苑の記憶、消しときましたから」
「記憶…?」
「ちなみに内緒ね。バレるとボク処分されちゃうから」
本当は殺したいくらいだったんスから…
と怖い言葉を溢して喜助さんは二番隊へと向かった
…─
二番隊─
「なんスか夜一サン」
恋人との甘い時間を邪魔された喜助は、見るからに不機嫌そうだ
「なんじゃ御機嫌斜めじゃの」
「用がないなら帰りますよ」
「紫苑との時間でも邪魔してしまったかのぉ」
不機嫌な喜助も面白いと、夜一はニヤッと笑う
「要件はなんスか」
「今度各隊合同で上位席官で討伐隊を組むことになった」
「というと、現世の?」
「そうじゃ。ギリアンが度々確認されておる」
本来メノスグランデは王族特務の管轄
しかし別件で忙しいとかでここ最近は、護廷にその任がおりてきている
「二番隊は十二番隊と組むことになった。喜助を含め席官四名を選抜しておけ」
「分かりました。それでいつっスか」
「この日とこの日じゃ。通しで任務につく」
その日は…
「別日にしちゃあ、もらえないっスかね?」
「ん?なんじゃ都合でも悪いのかの」
紫苑と旅館に行く日…