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With me

第17章 きすけさん…いるよね?



翌日─


「いいっスか?あくまでも治療としてっスからね、ち り ょ う !それ以下でもそれ以上でもない」

「わーっとるわ、やかましい」


四番隊を歩く2人の隊長の姿があった


「西園寺さん、浦原隊長がいらっしゃいましたがどうしますか?」

「通してください」


私が誰にも会いたくないと言ったから、来た人を教えてくれて確認をとってくれる


「どうぞ」

「ありがとっス」


喜助さんの声が聞こえる

大好きな喜助さんの声だ


「紫苑」

「平子…隊長」


喜助に続いて入ってきたのは昨日自分が追い出してしまった平子だった


「おー…」

「昨日はすみませんでした…」

「えーって、別に気にしてないわ」


ポリポリ頭をかく平子の横で喜助が小さい声で呟く


「めちゃくちゃ気にしてたくせに」

「なんか言うたか喜助」

「いいえ、なーんにも」


喜助は下を向いている紫苑に近づき、窓際に立つ


「紫苑、手を出して」

「え?」

「大丈夫…ボクがついているから」


何をする気なのかと、恐る恐る言われた通りにする

喜助はお願いしますと、平子に目で合図を送る

小さく息を吐いて、平子は紫苑に近づいた


「無理せんでエェからな…」


こないだのことが頭から離れん

俺のせいやないのは分かっとるけど、それでも紫苑に拒絶されたんは、なかなかキツかった…

だからまた拒絶されたら…と思うと気が進まんかった

けど、ムカつくけど今回は喜助がいる

きっと大丈夫やで、紫苑


平子はゆっくりと紫苑の手に、自分の手を伸ばす


「やっ…!」


それに気づいた紫苑はビクッと反射的に手を引っ込めてしまう


「大丈夫、ボクがいるから、安心して」


喜助の優しい声に、紫苑は息を飲んでもう一度手を伸ばす

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