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With me

第16章 喜助さんに…見せないで!



「なんで…なんで俺のモノにならないの…」


酸素を求め口を開いた紫苑の口内に舌を入れ、乱暴にかきまわす


「やッ……めっ……」


紫苑の目から一筋の涙が落ちる


「泣き顔もかわいいじゃん」


紫苑の涙を下から舐めとると、今度は首筋に舌を這わせた


「叫んだらもっと苛めるよ?」


鎖骨までたくさんのキスを降らして、最後にねっとりと舐めあげる


「例えばこの写真、浦原隊長が見たらどう思うかなぁ」

「写真…?」


リョウが取り出した1枚の写真には、まるで紫苑とリョウがキスをしているような姿が写っていた


「それっ、あの時の…」


雨の日に、1つ傘の下で…

確かゴミがついてるとかなんとか言って…

言われてみればシャッター音のようなものが聞こえた気が…


「良く撮れてるでしょ?これ」

「捨てて!」

「別に俺が頼んだ訳じゃないよ。面白がった俺の仲間が勝手に撮ってただけ」

「お願い!捨てて!燃やして!」


紫苑の口を塞ぐように、唇を重ねた


「やっぱり嫌なんだ。浦原隊長に見られるの」

「…お願い…喜助さんに、見せないで…」


紫苑の目から、また1粒涙が流れる


「ムカつくんだよ…浦原喜助」

「…え」


紫苑を掴む手が怒りに震えている


「俺の彼女は、浦原喜助に捨てられたんだ…」

「彼…女?」

「二年前…俺には麻美って言う彼女が居たんだ」


二年前…?

私と喜助さんが出会った頃だ


「だけど時々麻美の様子がおかしくて、後をつけたら…浦原隊長と…」


歯を噛み締めるリョウ


「それを問い詰めたら俺と別れるとか言い出して!」

「リョウ…先輩」

「一方的にフラれた俺は、その後も麻美が気になって、様子を見てたんだ」


リョウの手の力が弱まる


「ある日、また浦原隊長のところに行く麻美を見かけて…そしたら泣きながら部屋を出てきた」

「泣きながら…?」

「もう、関係を終わりにしたいって…言われたらしい」


それってもしかして…


「そう、西園寺さん。君が現れたからだよ。最初はなんでか分からなかったけど、君が入隊してきて思ったんだ。あぁこの子だって」

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