第15章 頭が真っ白になった

｢二手に別れよう！西園寺と東雲は別々だ｣

｢｢はい！｣｣


3人ずつに分かれ、それぞれ虚へ向かう


｢西園寺、俺たちがサポートするからお前がメインでやってみろ！｣

｢わかりました！｣


虚とはまだ距離がある

今のうちに虚を観察しといたほうがよさそう…

動きがかなり早い…でも一定のリズムがある…


｢あの虚は恐らく一定の動きをしたあと必ず一度止まります。そこを狙います！｣

｢大丈夫！思う通りにやれ！｣


紫苑は虚と戦闘距離まで詰めると予想通り動きを止めた虚を一太刀で倒した


｢サポートなんて要らなかったな…凄いな｣

｢いえ、やらせていただきありがとうござ…ゲホッゲホッ｣


紫苑は咳込み胸を抑える


｢大丈夫か、西園寺？やっぱり風邪か？｣

｢大丈夫です…｣

｢早いとこ終わらせて帰ろう｣


嫌な予感がする…

薬が全然効いてない…

これじゃあ気休めにもならない

琴乃のほうも片付いたみたいだけど、虚はまだ2体いるのに…


｢ゴホッゴホッ…ハァ…ハァ｣

｢無理はするな、少しここで休んでいろ…お前、西園寺についていてあげてくれ。俺は向こうと合流する｣

｢わかりました｣


｢西園寺さん、横になる？｣

｢すみません…｣


紫苑はその場で横になる





…─





｢倒したのか？｣


琴乃の班に合流した先輩が状況を確認する


｢あぁ、そっちの２人はどうした？｣

｢西園寺咳が酷くて、1人つけて休ませてるんだ｣

｢紫苑が？！｣


琴乃の顔が段々と青ざめていく


｢虚はあと2体のはずだし、先に帰したらどうだ？｣

｢そのほうがいいな。東雲、伝えに行ってくれるか？お前もそのまま付き添って、戻って構わないから｣

｢わ、わかりました！｣


琴乃は1人班を離れ、先ほど紫苑の班が対峙していた場所へ向かう


紫苑、無事でいて…


｢先輩！紫苑を尸魂界に帰してくれって…｣

｢東雲！西園寺が危険な状態だ！早急に尸魂界へ戻る準備をする！穿界門を頼む！｣


琴乃は頭が真っ白になった