第15章 頭が真っ白になった
第15章 頭が真っ白になった
翌日─
喜助さんは隊首会でいないようだ
少しホッとした自分がいる
喜助さんに話す覚悟がまだできないでいる
秘密なんか持ちたくはない
でも話してしまったらきっと…私のこと…
ビービービービービービービービー!!
技術開発局からの警報が響く
現世にて虚10体確認
討伐に向かってください
「数が多いな…」
そう言うのは四席の先輩
先輩を含め4人の席官と
「西園寺と東雲、一緒に来てくれ」
私と琴乃の6人が現世に向かうことになった
「紫苑…大丈夫?」
「大丈夫よ、薬も貰ってあるし」
琴乃は心配そうに、少し先を走る紫苑を見つめる
現世につくと虚は6体だった
1人が1体ずつ虚と対峙する
もちろん紫苑と琴乃も例外ではない
「あとの4体はどこに…」
静まりかえったそこには虚の気配が感じられない
「いつ出てくるかわからないから、待機しよう」
先輩の言葉で6人は一ヶ所に集まる
「それにしても2人は新人なのに凄いな」
「いえ、先輩の足元にも及びません」
「少し手間取っちゃいましたし…ケホ」
紫苑の咳に琴乃はすぐに反応する
「どうした西園寺、風邪でも引いてるのか?」
「なんか最近喉調子悪いんですよねっ」
先輩たちはさほど気にする様子もなく、また話題が変わる
「紫苑…」
琴乃がコソッと小さな声で心配そうに名前を呼ぶ
「大丈夫…薬飲んでおくよ」
とりあえずこれを飲めば炎症が抑えられる
この任務がおわるくらいまでは持つはず…
その時2体の虚が別々の場所に現れた