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〈H×H 長編〉擬似的な恋愛感情

第5章 勝負合コンの金曜日


「美結の事だからどうせ男と飲んでたんでしょ」

「……まあね」

「地元が近い消防士?超大手の若手エリート?それかK大の院生?」

「消防士はノリが体育会系過ぎて微妙だったからこの前切った。大手はアレ隠してるけど妻子持ちでしょ?範疇外。あ、院生は先週末遊んだよ」

「へえ~あのコめちゃ美結贔屓だったしねー。美結も結構好きでしょ ああいうジュノンな爽やか系、顔もイケメンだったよね」

「全体的には割と好き。でも学生はお金持ってないのがネックだよね、この前はさすがに出してくれたけど今後わかんないし」

「確かにねー もうヤッた?」

「ヤッてません!!」

正直、流れ次第ではそうなってもいいかと思った先週土曜のデートを思い出した。総評は悪くないが何と無く盛り上がりにかけたので 結局は真っ直ぐ帰宅する事となった。

比較をすれば 昨晩こそ短時間でいいムードに流れたと思う。それを邪魔した張本人はニヤニヤしながら「なら昨日は誰と飲んでたんだ」と探りを入れてくる。横目で伊織を睨んでいると 別の友人の明るい声が飛んでくる。

「美結の服可愛いね~!」

「ああこれ、買ったばっかの」

「美結は合コンの日は白率高いよね」

「まあね。結局無難が好きでしょ男は」

「完全引き立て役になるからうちらは白着れないんだけどー」

「よく言うよ。私だってたまにはいい女風なシャツとかぴしっと着たいんだけどね〜 いけない家庭教師みたいな?」

「美結が着るとロリなJKのコスプレだね(笑) うける!」

「ひどっ。結局私はそういうキャラなんだよなあー」

「あははっ いいじゃん!それはそれでいつもウケてるし!」


本日の戦闘服は正解だったようだ。袖口に控えめなフリルのついたコットン素材の真っ白いブラウス、合わせるボトムは男受けのする細身のタイトスカート。足元をポインテッドトゥのパンプスできちんとしめれば大人っぽさも出る。

大学時代の友人達との会話はいつもこのように赤裸々だった。これはこれで楽しくはあるが、今夜は頭の片隅にどうしても別の事を考えていた。
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