• テキストサイズ

〈H×H 長編〉擬似的な恋愛感情

第8章 最後の夜


腕を引かれれば、大きな黒目が真っ直ぐ美結を覗き込む。
こういう場所に宿泊するのだから流れで言えば行為を繰り返すのは普通とも言える。求められるのは嬉しい事ではあるが 今しがたのイルミの態度を見ていると素直に受け入れるのも少し癪だと思えてくる。
頬をムッと膨らませて見せた。

「……もしかしてシたいだけ?」

「そうでもないよ。さっきの一回でスッキリはしたし」

「……じゃあなんで?」

「触りたいと思うから」

「……」

「いいよね?」

返事を待たぬまま 腰元で束ねた紐を解かれれば 湯上りの肌が露わにされる。胸元の曲線を撫でられた。
美結は瞳を細め、小さくねだる声を出す。

「……じゃあ次はもうちょっと優しくして?」

「善処はしてみる」

「ホントに?」

「ミユの反応によっては虐めたくなるかもしれないけど」

こういう場合は先程の行いに対するある種の褒め言葉だろう。それには気付かぬフリをし ふんと拗ねた顔を作る。はだけた布を両手で重ね身体をパッと隠し去った。

「意地悪言うなら触っちゃダメっ!」

「今日はオレのものなんだよね?」

「…そ、だけど」

「ならオレの自由だよね」

結局は簡単に両手を掴まれ、そのまま引き寄せられてしまった。




/ 158ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp