第10章 進路決定へ
そして、三者面談当日。
「怖いよ、あの組長の顔を見なきゃいけないなんて」
組長=担任の先生です。前回の三者面談も震えが止まらなかったって。
体育の授業中、面談の時間となったので、私達は急いで控え室に向かった。
廊下で先生が待っていた。
「もう準備が出来たので、お母さんを呼んできて下さい」
「はい……」
その姿はやはり組長という名が似合う。
私は急いで控え室に居るお母さんを呼び出し、理科室に連れてきた。
そして、私達は理科室の独特な机を挟むように向かい合って座った。先生は向こう側、三人は私とお母さんの隣に座っている。
「以前にご連絡致しましたが、教育委員会が特別な入学出来ることを了承しませんでした。彼らの定期テストの点数はよろしくても、奏さん以外は模試を受けていないんです。だから、結果が分からないんです」
私は塾に通っているし、市が特別に用意するテストも全て受けた。しかし、彼らが現れた時期は遅かったのか、進路阻む問題がたくさん出てきた。
「でも、先生。過去問ってヤツやりましたよね?」
無一郎が話に入ってきた。先生は頷く。
「そういう状況だから、放課後何日かに分けて行わせたんですよ。やはり、急いで頭に叩き込んだのか、どれもあの高校に行ける成績ではございません」
先生は遠回しに厳しいと言った。私達は肩を震わせた。
「そうですが……奏はどうするの?願書一応持ってきたけど」