第10章 進路決定へ
帰宅後、私達はいつも和室で進路について話し合うことした。
「僕は奏が行きたいところでいいよ」
無一郎がそう言ってくれるけど、どこに行きたいかもハッキリと決まっていない。
滑り止めの私立受験も行っていないため、かなり慎重に考えなくてはいけない。
「俺はその、ナントカ高校で良い」
「実弥……それじゃよく分かんない」
私の言葉に、実弥は舌打ちをした。傷だらけの顔でされると怖いから……。
「俺もどこでもいい」
「義勇、そういう訳にはいかないんだよ?」
義勇は無口で、いつも黙ってるもんなぁ〜。
友達も松井高校に行くって言うし、二日目の試験もまだ楽な方だし、自由制服だし……。
「じゃあ……松井高校でいいですか?」
私の言葉に、三人は頷いてくれた。
そして、母親に願書を書いてもらい、青い封筒に入れた。
私は自分の部屋に入り、窓の外を眺めた。綺麗な次が輝いていた。
将来の夢か……あまり考えたことが無かった。
元鬼殺隊三人は、これからどのような人生を生きていくのだろうか。全く想像出来ない。
私はふっとため息をついて、三人が居る和室に戻った。