第10章 進路決定へ
お母さんにそう言われて、私は眉間に皺を寄せた。
自分と彼らのこれからの人生を、私が全て決めなければならない。
「……先生、努力次第では松井高校に行けますか?」
私は先生に質問した。以前、みんなで興味を持った総合学科の高校だった。ただ、少し遠いので、電車通学となる。
「必死に勉強しないと、松井高校には行けないですね」
実弥も何も言わず、ただガクガクと震えていた。先日の定期テストの結果、実弥だけ悪かったのだ。
「まだ願書を渡さなくても大丈夫です。来週の木曜まで待っていますから」
「はい……」
お母さんもただ俯いていた。
私達は無事に合格して、高校に通えるのだろうか。
私達の面談は幕を閉じ、急いで教室に向かった。
教室では、社会の授業を受けていた。
私はあの恐怖を切り替え、授業に集中した。