第1章 夏休み
空はお風呂から上がってくると疲れた顔をしていた。
「アイツら何なんだよ……馬鹿だろ」
パジャマに身を包んだ推し三人がお風呂から呑気に戻ってくる。
空はイライラしながら部屋に戻って行った。
「アンタ達、もう布団敷いたから寝なさいね」
「あれ?私は?」
ここには四つの布団が敷いてある。その中で一つが掛け布団も枕も無い物。
「奏も寝るのよ。お世話係だから」
何じゃ!そのハーレムみたいな状態は!?
まるで、ホストに行った時の延長戦みたいじゃないか!
「お姉ちゃん、一緒に寝ようよ」
無一郎……可愛過ぎる……。
「うん、寝よう」
即答でなんか恥ずかしいが、無一郎の誘惑には負けてしまう。
「一緒に寝よ」
義勇も私のパジャマの裾を引っ張って誘ってくる。
やめてくれー!!
実弥は舌打ちをして外方を向いていた。
私の右隣が無一郎、左隣が義勇で更にその隣は実弥という位置になった。
照明を消して、布団の上に横になる。
「おやすみ、みんな」
「お姉ちゃん、おやすみ」
「おやすみ……」
実弥は返事してくれなかったが、全員すぐに眠りに落ちた。
色々あって私も疲れちゃったよ。