第1章 夏休み
私が頑張って選び、たくさん服を買った。
すると、お母さんが向かったのは布団屋だった。
「大きな和室が空いてるからそこでみんなで寝れば良いでしょ」
そういう提案に私は賛成だった。
お母さんが布団を選んでいる間、私達は本屋に行った。
「これが未来の本?すごいな」
義勇が辺りを見渡しながらそう呟いた。
「念のために勉強用の本を買っておこうと思ってね」
念には念をと言うじゃないか。
もしも、一緒に学校に行けたなら……そんな妄想も叶うと願って。
中学校総復習の参考書を買った。
受験生の私のためにもなるし、これで良いだろう。
「お姉ちゃん、その本分厚いね」
無一郎が私が持ってる袋を覗いて言った。
「三年間の分が入ってるからね」
「三年間?」
「学校で習うものね」
「学校かぁ」
さすがに明治から学制はあるから学校の存在くらいは知っているだろう。
「コレ、スゲー」
実弥は漫画を見て驚いていた。
「その漫画持ってるから後で見せてあげるね」
「おお!よっしゃ!」
実弥は嬉しそうに喜んでいた。その喜び方が可愛い。
私達はお母さんが居る布団屋に戻り、布団を購入して家に帰った。