第8章 第2回定期テスト
そして、注文したハンバーガーが届いた。
「うわぁ、すごい!お姉ちゃん、どうやって食べるの?」
三人はこういうのは初めてで、食べ方も知らないのだ。
「こうやって、袋を手で持てるぐらい剥いで、ガブッとハンバーガーに噛み付くの」
恥ずかしいけど、私は食べて見せた。あっさーの隣に座っている実弥は、あっさーに教わっていた。
「うーん!美味しい!」
無一郎が目を輝かせながらそう言った。
「……美味しい」
義勇も目を輝かせながらそう呟いた。
「うめぇ!!」
実弥も目を輝かせながら、そう言い放った。
私とあっさーは、彼らの多種多様なリアクションに大笑いしていた。
「七瀬さん……?」
聞いたことがある声に振り向くと、そこには先輩が居た。昨年、散々悩まされた人がそこに居た。
私は前に居る義勇の袖を掴んだ。
「お姉ちゃん?」
後ろに居る無一郎が首を傾げていた。
「なっ、何もないよ……早く食べて行かないと、お母さんに怒られるよ……」
私はポテトを一本口に入れた。あっさーは立ち上がり、先輩のところに行った。
「先輩、奏に近付かないで下さい。今のを見て確信しましたよ。全てはあなたが原因です。出て行って下さい」
あっさーは淡々と冷たく言い放った。
「ごめん……」
先輩はそう言って、友達のところに戻った。
「さぁ、早く食べて帰ろうか」
あっさーの言葉に、三人は頷いて、食べ始めた。