第8章 第2回定期テスト
やっと、定期テスト本番。
「お姉ちゃん、僕できるかな?」
「大丈夫だよ。私達がたくさん教え込んできたから、きっとできるよ」
私は不安そうにしている無一郎の頭を撫でてやった。すると、嬉しそうに微笑んだ。可愛い。
「テストとか、ダルいなぁ。やってらんねぇ」
「実弥……まぁ、頑張ろう。志望校のために」
「……まぁ、そうだな」
そして、チャイムが鳴る3分前に着席した。監督の先生がプリントを配っていく。
良い点数が採れますように……。
チャイムが鳴り、プリントを裏返して表にし、問題を解き始めた。
国語と社会はイケたかもしれないけど、数学理科英語はボロボロだと思う。
「はぁ……疲れた」
義勇でも思わずため息を漏らすほどだ。テストってそれほど嫌なものだ。
「早く帰りたいのに、6限があるってムカつく」
「無一郎……まぁ、確かにムカつくよね」
私は無一郎の言葉に苦笑いを浮かべた。
「まぁ、あとは結果を待つのみだよ」
良い結果でありますように……。