第8章 第2回定期テスト
そして、コンビニに先生の車を置いて、私の家に向かっていた。
どうしてこうなった?
おーちゃんとあっさーはまだしも、なぜ先生も?
家に入ると、お母さんに驚かれた。先生も居るからかな。
意外にも、勉強会はスムーズに進んだ。
「僕疲れたよ~お姉ちゃ~ん」
「あっ」
無一郎が抱き付いてきた。
「奏……しんどい」
実弥も義勇も口を揃えて言った。
「ずっと気になってたけど、アレって本物?」
先生が指を差した場所には、鬼殺隊の隊服と刀が飾られていた。
「彼らのもありますけど、私も鬼の血鬼術によって鬼滅の世界に行かせてもらえて、隊服をもらえたんです」
「おースゲー!いいな!」
男子組(先生含めて)は目を輝かせて見ている。それを私達姉弟組は見ていた。
あの隊服は大切に飾っている。現代社会で着ることはないからね。
あの隊服は三人の隊服を象っている。
ズボンがヒラヒラなのが無一郎、半々羽織の片方のピンク色で描かれたあの模様は義勇、そのもう片方の白は実弥である。
刀が真っ白というのは意味が分からなかった。新しい呼吸でも使えるのか?
「先生達、そろそろお帰りの時間ですけど……」
そう言っても、男子組(もちろん先生を含めて)は鬼殺隊の物に目を輝かせている。
「お姉ちゃん、コレどうすんの?」
「うーん、どうしていいか分かんない。大人のクセに言うこと聞かないバカも居るからさ」
遠回しに先生の愚痴を言ってみたが、本人はおーちゃん達と一緒になって盛り上がっている。
「……さっさと帰れ!!」
「……すみませんでした!」
私が怒鳴ると、男子組は急いで片付けて、家を出て行った。
「……大人げない」
私はそう呟いた。