第6章 理不尽な過去
15柱side(14も居るけど)
自分達の姉として生きてくれる奏の過去に三人は驚いた。
義勇も心を打たれて泣いてしまっている。
「だけど、言葉は幸せにしてくれるよ。使い方を間違えれば人を殺す刃になるってだけだよ」
奏の言葉はどの時代にも通用しそうな名言のように聞こえた。
この世界に来て気付いたことだある。それは、言葉の多さ。
人を傷付ける言葉を使う人も居た気がした。
言葉が多いからこそダメなのか。
「お姉ちゃん……」
「奏……」
次男組はすぐに奏に抱き付いた。
長男だった実弥は彼女に近寄り、頭を撫でる。
「俺達が絶対にお前を守り抜く。もしも、ソイツに出会って何が起きても、俺は守る。俺達は、テメェの幸せを一番願ってる」
実弥の言葉に奏は泣き出した。
さすが長男の言葉でもあるように、彼女の心を打たせた。
「私……辛かった……今もまだあの人が、好き……」
実弥も無一郎と義勇を覆うように抱き締めた。
すると、景色が歪んだ。