第6章 理不尽な過去
「その時、私は大好きな彼とすれ違ってしまったのだ。そのせいで、私はストーカーという犯罪者だと呼ばれるようになってしまった」
私の言葉に目の前の彼らはとても驚いている様子だった。
「ありもしない噂で色々言われて、とても傷付いたよ。死にたくて、リストカットという自殺行為をしかけた」
生憎、カッターの使い方を忘れ、カッターの刀を逆にして使ってしまった。そのため、傷は浅すぎて痕も残ってない。
「それでも現実は変わらず、冬休みの終わりに東京に逃げ出した」
「えっ……」
義勇が声を漏らした。
「結局、自首して警視庁に連れて行かれたよ。話をして親と東京で泊まって、次の日学校休んで帰ったよ。だけど、やっぱり学校に行くのが怖くて、二日間も休んでしまった」
死ね、消えろ、気持ち悪い。そんな言葉を聞くのは散々だった。
そして、涙が溢れてきた。
「友達の力で学校に行けるようになったと思えば、その先輩と同じ掃除場になってしまった。何も言われはしなくても、辛かったよ」
だけど、やっぱり貴方はイケメンだった。
悔しいくらいカッコ良かったんだよ。
そんな美しい君に憧れてたんだ。