第6章 理不尽な過去
私が目を覚ますと、三人は既に起きてテレビを見たりゲームしたりしていた。
ってか、ゲーム教えてなくない?私の弟、空が原因だな。
今日は土曜日だからのびのび出来る……わけではない。テスト勉強しなきゃ。
「おはよう」
私がそう言うと、難しい顔をした彼らが居た。
すると、無一郎が言った。
「ねぇ、お姉ちゃん。僕達家族でしょ?辛いことがあるなら話してみてよ」
えっ、どうして?何が……。
「奏、ずっと複雑な目をしてた。だから、俺は聞いてる。ほんの少しでも良い。話して楽になれ」
義勇には、この子達にはバレてしまうのかもしれない。
日記、読まれちゃったかな?アレは見られたくないなぁ。
「じゃあ、話そうか」
私は彼らを自分の部屋に招いた。
一つのテーブルを囲んで座った。
「私は大好きな人が居る。体育祭で輝いていた団長さん。一つ上の先輩だった」
本命は未だにその人である。
「ある日、私は友達と待ち合わせをしていた。だけど、待ち合わせ場所があやふやでその場の写真を撮って送り、諦めて友達の家に直接行こうとした時だった」