第5章 柱辞めます
無残という言葉に三人は首を傾げた。
「あの鬼よると、無残の命令で君達をあの子のところに行かせた。彼の戦略通りになっている」
「無残……」
義勇がボソッとその名を言った。
「柱を減らすためだとは思えない。彼は彼女を救いたかったんだろうね。だから、彼女の好みである君達に行かせた。その通り、彼女の心を救えてる」
あの鬼舞辻無残が奏の幸せを願ったことに驚いている。
「わざわざ同い年の体にして、運良く学校に行かせて……君達はすごいよ。一人の女の子を守るという覚悟を持てるから」
お館様は優しい声で彼らを褒め称える。
「だから、君達を自由にさせたい」
「お館様!それは反対です!」
煉獄杏寿郎がそう口を挟んだ。
彼らを自由させたところで鬼殺隊にはメリット無し。逆に戦力が少なくて、デメリットになってしまう。
「良いんだよ、杏寿郎。私の子供達が大切な人のために一人立ちするというのだから」
「そんなのはいけません!それでは鬼殺隊がダメになってしまいます!」
「この三人が一人の女の子を守り抜きたいと言った。それを聞いて驚いただろう?杏寿郎」