第5章 柱辞めます
あれから数週間後、鬼の血鬼術で彼らの様子を見ていた。
「あの人達、楽しみ過ぎで……」
しのぶはなぜか怒りを覚えた。
それは体育祭の映像だった。
「派手派手に楽しんでんな。未来は派手面白そうだなぁ」
「私も血鬼術で戻そうとしていますが、彼らがこの世界に居たいと思うようになってしまったのか、何しても無理なのです」
鬼の言葉に、しのぶはため息を吐いた。
完全に三人共、あの少女に好意を持っている。こんな世界より未来の世界に居たいと思えるようになってしまったのだ。
「あと、未来の話になりますが、この映像を見て下さい」
それはオープンスクールに向かう映像だった。
「戻りたくないって……鬼退治を忘れてる」
「未来で生きることを考えるようになってしまっているようです。これまさにあの方の予言通り。ずっと少女と寄り添う気でございますね」
「そんな……」
しのぶはその説明に落胆した。