第4章 オープンスクール
パソコンの教育もやっておけば良かった……。
「奏、やっぱり分からない」
義勇も破滅的だ。
「これを押せば……出来た!」
天才肌の無一郎のみ、上手く出来たようだ。
この高校行くのは止めておこう。
次は実際の株式会社のような不思議な教室での体験授業だった。
小切手に文字を書くだけだが、彼らは大興奮。
「スゲー!!」
「お姉ちゃん、この紙……!」
「落ち着いて」
姉の役目とはこんなに大変なのか……。
数字を機械で入れると三人は目を輝かせていた。特に義勇は地味に喜んでいた。
最後は判子をおして小切手の出来上がり。
お持ち帰り出来るのが嬉しい。記念に取っておけるから。
部活動見学が回ろうとしたが、部活はどこもやってなくて、諦めて帰ろうとした。
「ねぇ、君達。授業の時から気になってたんだよね」
この学校の教頭先生だった。説明会からずっと思ってたけど、若過ぎる。
「担任の先生に話を聞かされて気になってたけど、すごいね。それを率いるお姉さん、すごいね」
「いやぁ……」
別に褒められることではない。ただのお節介だ。