第1章 夏休み
お母さんは適当に服を買って戻ってきた。
Tシャツとジーパンと帽子だった。それぞれ服は違うが、コーデは同じだ。
三人は別室で弟に着方を教わって戻ってきた。
実弥は白い帽子にアルファベットが黒い文字でデザインいるもので、義勇と無一郎は同じ黒い帽子に白い文字がデザインされている。
「可愛い!さぁ、一緒にお買い物だ!」
お母さんの車に乗ると、三人は少し落ち着かない様子だった。
「お姉ちゃん、コレ何?」
可愛い顔で無一郎が聞いてきた。
「これは自動車って言うの。人を乗せて走れる乗り物だよ」
「へぇーすごいね」
無一郎が嬉しそうに笑っているその後ろで、二人は固まっていた。
「未来って、すごいんだな」
義勇がボソッと呟いた言葉に実弥が共感したように頷いてて笑えた。
確か、義勇と実弥は水と油の仲というか、犬猿の仲だったような気がする。
これから家族だと言われたら仕方ないのかな。
「じゃあ、出発進行だよ!オー!」
「……オー!」
実弥以外はノリに乗ってくれてホッとした。