第3章 体育祭
昼食は教室で、輪になって地べたに弁当を広げる。
団長が立ち上がり、手を合わせる。
「いただきます!」
「いただきます」
団長の言葉に皆が続いて同じ言葉を発した。
「あのさ……やっぱりお前はハーレムなのか」
団長に突っ込まれ、私は苦笑する。
私の周りに三人が居て、私が囲まれている状況だ。
私達の弁当をみんな同じという訳ではない。男子である彼らの弁当箱は私の物よりも一回り大きい。
「奏、口開けて」
義勇に言われ、私はよく分からないまま口を開くと、卵焼きを突っ込まれた。
量は違えど、弁当の中身は一緒でしょ?何で?
「奏、可愛い」
「なっ……!」
義勇の言葉に私は顔を真っ赤にした。すると、実弥が冷凍食品のハンバーグを箸で取る。
「おい、口開けろ」
「えっ……あーん」
仕方なく食べさせてもらった。どういうバトルをしてるのか全く分からん。
「奏」
珍しく名前で呼んできた無一郞の方に振り向く。気付けば、額にキスをされていた。
「えっ……なっ……!」
混乱する私にクラスのみんなも大爆笑。
どうしてこうなった?