第3章 体育祭
「実弥ばかりお姉ちゃん盗ってばかりで酷いよ!」
「テメェの方がヤベェだろ」
戻って来たら、実弥と無一郞が喧嘩していた。
「奏、御愁傷様」
「義勇、その言葉はどういう意味?」
私がそう聞くと、義勇はフッと笑って外方を向いた。彼の冗談は意外と自然に来るから分からん。
『それでは、大玉送り予選を始めます。それぞれの位置に着いて下さい』
並んで、それぞれの位置に着いた。
最初は別の軍が戦っているのを見届けてから、また移動して戦うことになる。
実弥と私がアンカーになってしまったのだ。
『スタート!』
大玉が二回頭上を転がり、そして、三回目。
頭上に来た時、実弥が大玉を掴んだ。
すると、実弥は大玉を担いで颯爽と走って行く。追い付くのが大変。
『不死川さんスゴすぎる……うわっ、白軍一位です!』
実弥の力によって、白軍はリーグで一位になれた。決勝は後程……。
応援席に戻ると、アナウンスが鳴った。
『この後、昼食を含めて二時間の休憩です』
二時間?長っ!
熱中症対策によって、休憩時間がたくさんあるのだ。