第2章 新生活
一時間目が大嫌いな体育なので、体操着に着替えてグラウンドに出た。
私のクラスである三組は二組と合同で体育を行っている。
今日は大嫌いな長距離走だった。
私は先にペアが走るのを見て、タイムなどを用紙に書き込む。
「速ぇ!!」
男子が驚愕しているのは、実弥と無一郎の走りだった。
二人は仲良く話しながら走っているが、そのスピードが他の人間と比べものにならないくらい速い。呼吸を使ってるから強いのかな?
次の番になり、私は渋々と走る。疲れるのは嫌だ。
「奏、遅いぞ」
「ぎ……はぁ、はぁ……」
義勇に話し掛けられても異常な息切れによって返事も出来ない。
すると、義勇は手を握って微笑んだ。
「行くぞ」
「へっ?ギャッ!?」
義勇に手を引っ張られ、とてつもない速さで走らされる。
死ぬ死ぬ!私の足死ぬ!
私は完走し、ヘトヘトになって戻ってきた。
すると、先生が体を支えてくれる。
「さすが、噂の入学生かぁ……お疲れ、奏」
先生に支えてもらっていると、義勇が飛んできた。
「ごめん、やり過ぎた」
「だい……じょ、ぶ……」
言葉は出なくて、その場で倒れた。