第2章 新生活
義勇が私に抱き付いたまま黙っていると、無一郎も抱き付いてきた。
「姉さんと同じことをしてみただけ……」
義勇の言葉に尊くて死にそうになった。
本当に可愛過ぎてダメだ……。
「お姉ちゃん……」
無一郎が可愛い顔で見つめてくる。
本当に、急にどうしちゃったんだろう。
唯一長男である実弥が抱き付いて来なかった。
可愛い可愛い子に抱き締められるのは幸せだけど……。
「あのさ、宿題していい?」
「あっ!ごめん……」
二人はゆっくりと離れた。
一人でポツリと立っていた実弥の頭を撫でた。
「実弥、甘えて良いんだよ」
「……」
実弥は、しばらく黙っていると思いきや、急に舌打ちされた。
「それならお前だ。疲れてるクセに何で甘えねぇんだよ。お前こそ、誰かに頼ってみろよ」
ド正論言われた……。
こんなこと言われるのは初めてだなぁ。
「顔に似合わないこと言わないでよ」
そう言って、私は笑い飛ばした。
すると、実弥は舌打ちして寝室を出た。
「実弥も長男だし、奏も長女だからな……」
義勇がなんかボソボソ言っていた。
そして、夕飯だと言われてキッチンに向かったのだ。