第2章 新生活
新学期が始まって、私はいつも三人に見送られながら学校に向かう。
もうすぐで体育祭だ。
頑張って描いたパネル、優勝出来ると良いな。
自分の教室に着き、自分の席に座った。
『お姉ちゃんと一緒に学校に行きたい!』
無一郎の言葉を思い出し、私はため息を吐く。
「奏、どうした?」
同じパネルリーダーの男子が話し掛けてきた。
「いやぁ、子育てって大変だなぁと思って」
「前に言ってた親戚の子?」
「そうそう。無知過ぎて大変だよ」
普通に男子と話してるなんて、正直あり得ない。
この子、ヒロアカも知ってたから鬼滅の刃も知ってるのかな?
「ねぇねぇ、鬼滅の刃って知ってる?」
「おっ!知ってるよ、俺はしのぶさん推しだなぁ」
「私は、義勇と実弥と無一郎が好きだよ。カッコいい可愛いし、最高だよ」
三人と一緒に住んでてすごく楽しいけど、時代遅れ過ぎて大変なんだよね。
そう言いたいのは山々だが、言葉を呑み込んだ。
「新学期からカップル誕生かよ!」
他の男子達に突っ込まれて、私は全力で否定した。
私には大好きな人が居るから。