第1章 夏休み
「炭治郎が居るよ!」
無一郎がその動画に指を指す。
その動画はアニメ20話が収録されている物だった。
「冨岡さん、じゃなくて義勇が出てるね」
「胡蝶も出てるな」
三人はその動画に目を見開いて見ていた。
「この世界の俺も嫌われているのか……」
「いや、元からだろ」
実弥の言葉に義勇は、またガーン!となって硬直している。
無一郎は漫画がたくさん並ぶ本棚を見ていた。
漫画を一冊取ってみると、奥にも漫画が置かれていた。
その一冊を取ってみると、無一郎は目を見開いた。
「鬼滅の刃?炭治郎が描かれてるけど」
「はぁ!?」
その奥に並ぶ本をあさってみると、全てが鬼滅の刃であった。
「実弥も義勇も居るね」
「何だこれ……」
この世界はただの未来の世界ではないということだけ分かる。
「この動画、柱合会議の様子が出てる」
義勇は勝手にリモコンを操作して見ている。
「俺らも出てんじゃねぇか……どうなってるんだよ!」
突然、部屋の扉が開いた。そこには奏のお母さんが居た。
「あまり朝から騒がないでね」
『お母さんはこの家で一番偉い人だからちゃんと従うんだよ』
昨日、奏が言っていた言葉を思い出し、三人は頷いた。