第1章 夏休み
その頃、七瀬家。
「アイツ居ねぇからどうすりゃ良いか分かんねぇ」
実弥はため息を吐いた。
「おはぎ作れば良いんじゃないか?」
義勇の言葉に実弥は鋭い目で睨み付ける。
「テメェ、何でもおはぎで解決しようとすんな。この糞が」
ガーン!となっている様子が目に見えて分かる。
(俺、嫌われてるのかな)と、不安になっている義勇。
「弟の空くんと遊べば良いのかな?」
無一郎は不意に思い付いたことを言ってみた。
「アイツはげーむってヤツと遊んでるから無理だろ」
昨夜のお風呂でゲームばかりしているというのを聞いた気がしたからだ。
「奏の部屋でテレビってヤツを見るか」
「やり方教えてもらったからね」
実弥が絞り出した案に無一郎も乗り気だった。
三人は奏の部屋に入ってテレビをつけた。
「このボタンを押すと動画が見れるってお姉ちゃんが言ってたね」
無一郎は何気なくそのボタンを押した。
開かれたのはユーチューブである。知らない彼らは驚愕していた。
ホームに上がっていたものの中に『鬼滅の刃』があったという理由もある。