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恋人が意外とSなんですが

第4章 それ全く冗談になってないです






「繋がらなかったって…
 バカかお前は。当たり前でしょうが」

「………はい?」

「、
 加茂長さんから言われてたじゃん」

「はい?」

「1ヶ月、海外出張でプライベート携帯は
 繋がらないから、ごめんね、って。
 優しい顔して言われてたじゃん」

「…………………は、い?え、え?そうだっけ、
 カモさん出張だったっけ!?
 成る程!通りで最近会わないわけだ!
 あー良かった、避けられてると思った…」



ほっと、胸を撫で下ろす私に
「案外、良かった話じゃなくない?」
と彼女達の声が小さくなる。


「え、何が?」

「…あんたさあ、
 明らかに自分のこと好きそうな子が
 仕事でちょっといない間に
 違う人と付き合ってるって知ったら
 加茂長さん、人間不振で飛び降りるね」


……と、ととび、飛び降りる!人間不振!


「や!…わ、私まだ好きだって言ってないし!」

「でもさあ?プレゼントに
 手編みのマフラーでしょ?
 気持ち悪いくらい本命じゃん
 うん、加茂長さん飛び降りるな」

確定!と私に指を差す。


「……ど、どどど、どうしよう、
 カモさんがっ…カモさんが私のせいで」


頭に過るのはあの優しい笑顔と
うちの会社の屋上。

カモさんが「ばいばい」
そう言って笑顔のまま後ろへ倒れて…


い、いやああぁあぁああ!



私が頭を抱えると
隣の彼女がポンと、肩に手を置く。
ニヤニヤした彼女達の表情を見て、
少しだけ安心した。

本気で言っている訳じゃなくて
またいつもみたいに
私をからかっている証拠だったから。





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