第4章 それ全く冗談になってないです
「あ、そおいや、
加茂長さんから連絡は?」
「………か、もナガ…さん?…は!カモさん!」
「え、何、存在忘れてるってどゆこと?」
「いや確かに彼優しいオーラはあるけど
存在感は無くない?」
「…そこがカモさんのいいところなんです」
なのに、なのに私ってば…
あんなに夢中だった
優しい加茂長さんのことを忘れて
それとは正反対の二重人格男に
心を奪われてしまっただなんて…
恐るべし櫻井翔。
(こんなこと本人に言ったら無視される)
「でも私、カモさんには
振られてるようなもんだよ」
「は?言ったの?好きだって」
「ううん、言ってない。
言ってないけど、電話繋がらなかった」
ちゃんとした告白なんて、してはいない。
ただ、誕生日にプレゼントを贈っただけ。
でも櫻井さんが言ってた。
確かに今考えたら付き合ってもないのに
手編みのマフラーとか気持ち悪いし
この1ヶ月後、連絡とれないとか
着信拒否してる以外に考えられないし
私、気付かない間に失恋して
気付かない間に違う人を好きになってました。
どうなの、女子としてこれは。