第4章 それ全く冗談になってないです
「まあ連絡ないんだし、
単なる考えすぎかもしれな」
フォローする彼女の言葉を打ち消すように
私の携帯にメール受信の音が鳴る。
「…………、」
さっきまでの雰囲気に緊張感が走ると
私の携帯に視線が集まった。
テーブルに置かれたそのディスプレイを
4人で覗き込む。
そこに表示されたのは
『 加茂長さん 』
今話題の彼の名前。
「…、は、早く開けなよ」
言われた通り、慌てて受信メールを開くと
『久しぶり、たった今日本に着きました。
お話したいことがあるので
落ち着いたら一緒にお食事でも
どうですか?』
待っても待っても来なかった、
加茂長さんからの連絡。
少し前まで胸が飛び出るほど
嬉しかったはずなのに
今は自分の犯した過ちに手が震える。
さ、最低だ最低だ最低だ最低だ私!
「お前!加茂長さんその気じゃねえか!」
頭を抱える友人を見て
一気に不安は最高潮へと。
「……、あ、あ、ど、どうしよう!」
「やだ!マフラー貰ったのに気持ち悪い!」
「怖い!あんた絶対殺される!」
そ、そんなあ…
私はとんでもない勘違いを
してしまったのかもしれません。
END.