第3章 気温が下がったのは気のせいかな
その毒のせいか、ぼう、と見つめていると
白い息を吐く彼が「飯食った?」と尋ねた。
「あ、いや、まだ」
「良かった、じゃあ行こうか」
「うん」
な、なんだこれ、
めちゃくちゃ…
めちゃくちゃマジデートじゃないですか
だ、大丈夫かな
今更だけど、服これで良かった?
うっわ、髪とか適当じゃない?
うそ、デート?デートだよ!
まだ会って数分、
変な汗がジワジワと
出てくるのがわかる。
そんな私の異変に気づいた彼が
「あなたさあ、体調悪いの?」
と私の顔を覗く。
気だるそうなそのセリフは
優しいのか、優しくないのか。
「いえ!全く!」
「マジ?なんかいつもと違う」
彼の表情を見て、
優しいほうか、そう思って。
「え?それはどういう…外見的なことですか
(なんか今日は女っぽい、
そういうことですか!るんるん)」
調子に乗って胸を弾ませると
案の定、呆れた顔した彼。
「違げえわ、熱あんの?」
「ううん、ないよ」
「移さないでね、頼むから」
「…心配、してくれてるんだね…(感動)」
「前向きだなほんと(尊敬)」
多少の温度差なんて気にしません。