第2章 あれ?私悪くないよね?
突然の『俺が隣にいるよ』宣言。
告白紛いとも取れるそのセリフに
はい、か、いいえの答えを
告げていない私は
暫く二人で黙った後に
「…さっきの、返事は、」
と聞いてみる。
いつの間にか、私と同じ
おちょこを片手に
ふふ、と笑った彼が
「本日は締め切らせて頂きました」
とまた私の反応を楽しむ顔。
「そ、そんな制限告白あります…?」
時おり見せる、くしゃっ、と笑う顔に
また胸の重低音が鳴り響くと
「次の受付は来週の土曜日なんて、
どうですか」と紳士的に誘う彼。
真ん中に置かれた二合瓶。
お洒落な雰囲気なんかないけれど
お酒のせいか彼のせいか
暖かい雰囲気に包まれて。
冷たい彼の隣が
嫌いじゃないと思った、
そんな時間。
「うわ、お前溢すなよ酒」
「うわ、気づかなかった」
「ほら、マフラー出して」
「…、もうそのネタ勘弁して下さいませんか」
「なんの為のマフラーだよ」
「わ、私の愛で首を暖めるためです!」
「凶器」
く、くそ
やっぱりあれだ、
暖かい雰囲気なんて、全くない!
END.