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恋人が意外とSなんですが

第2章 あれ?私悪くないよね?





「また日本酒ですか、さん」


私の隣に腰掛けた彼が
わざとらしく名前を呼ぶ。

「あれ、皆は?」

ああ、ほら、と視線の先には
櫻井さんの同僚らしき人達と
よろしくやる友人達。

あれだ、あれ、
普通の子よりもコミュニケーション能力が
高すぎるとそうなっちゃうんだよね、きっと。


「櫻井さんって最終的に捨てられてません?」


言い終わった後に、
ヤバイこの人にこんな口叩いたら
何十倍にもしてやり返される
なんて思ったのに


「そうよ、俺なんて最初だけ」


と視線を合わせずに笑う彼の
違う一面を見た気がして
顔が火照る。



「…少女漫画じみた
 そのしおらしい反応、全力で止めて」


私を横目で見る彼にわざと
首をかしげて。


「の、飲み過ぎたかなあ?」

「酔ったかもお、とか勘弁してね。
 可愛くないから」

「…かしこまりました」



5秒前のトキメキを返して下さい、
ギャップ王子。



「…櫻井さん、まさかまさかなんですけど
 G・A・Pと書いてギャップと詠む、
 女の子が大好物な、爽やか男子が
 腹黒とかいうやつ狙ってるんですか」

「ちょっと待ってよ、その法則でいくと
 俺があなたを狙ってるとか
 そういうチープな妄想?」

「………、」



ほら、みんな、
バレてるよ、櫻井さんにはみんなの
ありふれた(失礼)妄想がバレてるよ。



「読者のせいにすんじゃないよ」

「す、すみません」

「ちなみにないよ?」

「え?」

「俺、可愛い子が好きだから、ないよ?」

「さ、櫻井さん、
 私といて、久しぶりに楽しい発言は…」



あれは何かのフラグだったんじゃあ、
ないんですか…!



「そりゃあね、久しぶりに酒が飲めたら楽しいよね、ちょっと待って、え、まじで?それだけで俺が惚れたと思ったの?申し訳ないけど俺血とか吐きたくないしまだ死にたくないし着信拒否もなんならするし手編みもらってもそれで牛乳こぼした床拭くけどそれでもいいなら」


















「隣にいてあげるよ、今みたいに」

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