第2章 あれ?私悪くないよね?
「さん、大丈夫?」
彼の言葉にハンター達も
え、どうしたの?とこちらを振り向く。
私を見つめる彼の視線が
私の知っている彼とは違いすぎて
「誰ですか、あなたはどちら様ですか」
真顔でそう問い掛けてやった。
「何?どうしたの、翔くんだよ」
「…いや、皆落ち着いて、櫻井さんはさ、
なんかこう、もっと黒くて…計算高くて…」
「落ち着くのはお前だ」
「どちらの櫻井さんと勘違いしてんの
櫻井違いも甚だしいわ」
「や、違う…私のことを
さんだなんて…あの毒舌で人を
凶器呼ばわりする冷血人間はどこですか」
「ごめんね、翔くん
この子ちょっと調子悪いみたいで」
「私じゃないよ、調子が悪いのはさくら」
「、ハウス」
……わん。
私が大人しくなると
笑いを我慢するかのように口に手を当てて
それを誤魔化そうとする彼。
おいおいおいおい
貴婦人達の目はふしあなですか!
見て!ほら!
人が困るの見て楽しんでるよあの人!
友人から黙れ、の合図を受け
もはや彼に夢中の3人を放って
1人でお酒を注文した。