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恋人が意外とSなんですが

第2章 あれ?私悪くないよね?







「え、」

「…………、」





『 また、会ってやっても、いいよ 』
なんてほろ酔いの優しい顔して
偉そうに言った彼。

業務メールが返ってきてから
1度も連絡はなく
その日から1週間も経たないうちに
偶然立ち寄った居酒屋で遭遇した。



私を見るなりシラっとした態度で
え、人違い?と自分に問いかけたが
ないないない、
間違えるわけないだろこの人を。

相変わらずの爽やかさ、
なのに私に向ける視線の冷たさったらない。

櫻井さん、
私を凍傷にさせる気ですか。




「え?あれ、あれーっ!翔くんだあ!」


私の後ろからピョコンと顔を出した友人達、
いや、ハンター達は今日もフル出勤。


「え、まじまじ?
 あ、ほんとだあ、久しぶり~!」

「運命かもー!」



と彼に駆け寄る3人に

「はは、偶然だね、どうしたのお揃いで」

なんて
今気づきましたよ、僕今気づいたからね、
とでもいうような態度。


待て待て待て待て
私と目ガッツリ合いましたよね?
わざと目細めて嫌な顔見せましたよね?


なのに
なのになんですかその猫かぶりは!



「ていうか翔くんこの間
 と消えたじゃーん」

「まさかデキてんの?」

「うそ、やだ翔くんやだ!」


彼の腕に自分の腕を自然に絡める。
これこそ男子の喜ぶボディタッチ。
上手い、さりげない、可愛い
あざといとわかっていても
やられてしまうヤツ。


その行為に動揺もしない彼が
あはは、と高笑い。


「違う違う。 
 気分悪そうだったからタクシー拾って
 別々帰っただけだよ。
 俺も仕事戻らなきゃいけなくなって、
 ごめんね、先帰っちゃって」



眉を下げて小さく笑う彼。
いいよお、とデレるハンター。



……ま、待って。
え、誰?え、え、え、
ふーいずひー!(who is he)


やたら笑顔を見せるこの爽やか青年は
誰ですか、何者ですか、
私の知っている櫻井さんはどこですか。





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