第1章 さよならも言えずに
数分すると大和が戻ってきた…大群を連れて。
「待たせてすまん、いやー、コイツらうるさくてな」
大和もうるさいと思う←
「うるさいってなんですか、失礼ですね」
確かに、この人は物静かそうだ。
「ビューティフルガールが起きたと聞いてすっ飛んで来ました」
え、外人…?めちゃくちゃキラキラしてる…。
「おー、まぢで超美人」
え、近いです、見ないで下さい。
「環君、そんなまじまじ見たら失礼だよ」
もっと言って下さい、そして止めて下さい。
「み、みんな、彼女びっくりしてるよっ」
はい、驚いてます。
「お前ら、ほら囲むな囲むな!ビビってるって」
この小さ可愛い子の言う通りです、やめて下さい。
「はいはい、お前らー、少し離れろー」
「「はぁーーーい」」
おぉ、鶴の一声ならぬ、大和の一声で彼等は距離をとってくれた。
うん、でも本当に少しだけ離れただけだった…。
「ほい、とりあえずコレ飲んでから話な」
そう言ってミネラルウォーターのペットボトルを渡された。
走り過ぎて喉が乾いていたのは事実だったので、遠慮なくもらい口をつける。
ゴクゴクと飲み度に身体に水が染み渡るのがとても気持ちがいい。
「風呂も沸かしてっけど沸くまで時間かかるから、んじゃま、説明してもらおうか」
口を付けたペットボトルを近くにあるテーブルに置き、彼等に向き合うように座り直る。
『何処から…説明すればいいか分からない』
これは本心だ。
彼等に何処まで話していいのかも分からない。
それに聞かれて気分が良くなるものでもないから尚更だ。
「はぁ…まぁ、とりあえずなんであそこにいたか、だな」
『分かった…話す』