第1章 さよならも言えずに
「そんな所でウロウロしないで下さい。
猫ですか、貴方は」
え…いおりんが現れた←
ビックリしてそのまま動けないでいると、彼が入ってきて…ん?固まった。
『え、なに…どうし…』
「あああああああ貴方はっ、な、な、なんて格好をしているんだっっっ!!!?!?」
そう顔を真っ赤にさせて走り去ってしまった。
え…いや、この格好は謝るけど…え…?
そう思ってる矢先、再び彼が走って来たかと思うとタオルケットでぐるぐる巻きにされた。
凄い手際の良さに為すがままだった私←
「着る服がないのならこうやって隠しておいて下さいっ!!
いつ誰がここに来るか分からないんです!少しは女性としての自覚をお願いしますっ!!」
『あ…ありがとう、いおりん』
「い、いおりん…!?
あぁ…四葉さんですね。
すいません、自己紹介が遅れました。
私は和泉 一織です」
まだ顔が赤いし、こっちを直視してくれないけど自己紹介をちゃんとしてくれた。
この子、良い子だ←
口ではキツイ事言うようだけど、それはこの子の心が優しいからこそだ。
思わずふふっと笑いながらお礼を言う。
『ありがとう、一織君って呼ばせてもらうね』
「…す、好きに呼んで下さい。
そ、それでは僕はこれで」
『ん…?何か用事あったんじゃないの?』
「……!!
い、いえ、た、たまたま此処を通りかかったまでですから。
失礼します」