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素直になれなくて【IDOLiSH7】

第1章 さよならも言えずに






一織君はそう言って早足に居なくなってしまった。
一体なんだったのだろう…あ、乾燥機終わってる。
え、でもちょっと待って。
さっき一織君にグルグル巻きにされたから…て、手が動かない。
ちょっ、どうしようっ。
とりあえず足は動くから部屋から出て誰かに助けを…



「あでっ…!!」



『ひゃっ!!』




そう思い部屋を出た瞬間誰かに衝突してしまった。
誰かに会って助けてもらう事が目的だったが、まさか出た途端に人にぶつかってしまうとは。
しかも芋虫状態の私は手が出せない為受け身が取れず、そのままその人に覆いかぶさってしまった。
咄嗟に瞑った目を開けると、目の前にはミツキさんが。




「あっ…っ…!!」




『あ、すいません…今動けなくて…。
あれ、顔が真っ赤ですけど何処かお怪我しましたかっ!?』




顔を赤くし口をパクパクさせたまま何も発する事が出来ないようだ。
大変だ…私がぶつかってきっと頭を打ったんだろう。
重い私が乗っかったままだと、小柄なミツキさんが潰れてしまう←失礼
早く退けようと思い、芋虫状態のまま何とか動こうとするが、全然動く事が出来ずにモゾモゾするだけで焦りだけが先に行く。




「ちょっ、た、タンマ!ぅっ…動くなっ…お、俺は大丈夫だからっ」



そう言って慌てて私を手で押し、起き上がらせてくれた。
何故かミツキさんははぁはぁと疲れた感じを見せている。
あぁ、疲れさせてしまってすいません…そんな罪悪感が生まれた。



『すいません…お手数ですが、これ、取ってもらってもいいですか…?』




息を整えていたミツキさんが、私の状況に気付き目を見開く。
そして固く結ばれた結び目に手を置く。
どうやら外してくれるようだ。




「おまっ、どうしたらこんなに固くっ…。
てか、なんでこんな姿になってんだ?」




『あぁ…それは…』




理由を言おうとしたその時、結び目が外れてタオルケットがはらりと足元に落ちる。




「ほら、解けた…ぞ…っっっっ!?!?!?!?!」




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